優しさについて考えさせられる
『流浪の月』
凪良ゆう著

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凪良ゆう著の『流浪の月』を読みました。

2020年に本屋大賞を受賞し、2022年に映画も公開されました。

かなり話題になったため、読んだ方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

もう有名な作品ではありますが、改めてご紹介させていただきます。

 

作品情報

書名: 流浪の月

著者: 凪良ゆう

出版社: 東京創元社

ページ数: 320ページ

単行本・文庫本

Kindle版有・Audible版有 (20247月現在)

この本をおすすめする人

  • 誰にも言えない悩みがある人
  • 自分の価値観を押し付けてしまう人
  • 生きづらさを感じている人

 

あらすじ

家内更紗は、父が病で亡くなってしまい、母は恋人をつくって家を出て行ってしまったので、伯母の家に引き取られることになった。

伯母の家には従兄の孝弘がいて、更紗は孝弘から虐待を受けていた。

孝弘がいる家には帰りたくなかった更紗は、学校が終わるといつも公園で過ごすようにしていた。

しかしその公園にはロリコンと言われている大学生の佐伯文がいる。

ある日、いつものように公園にいると、雨が降り始めた。

びしょ濡れになっても家に帰りたくなかった更紗は、そのまま公園に居続けたが、そんな更紗に文が傘を差し出した。

家に帰りたくないという更紗を文は自分のマンションに誘い、更紗は自分の意志で、文について行くことを決めた。

更紗は文のもとで二か月過ごしたが、それは伯母の家とは違って安全な暮らしだった。

しかしお家に帰らなくなった更紗は行方不明としてニュースで報道されるようになってしまった。

そして安全な暮らしに退屈さを感じるようになった更紗は動物園に行きたいと文に願い、その動物園で通行人に見つかってしまい、更紗は警察に保護され、文は誘拐犯として逮捕されてしまった。

その後、更紗は「怖い目にあった可哀想な子」、文は「ロリコンの誘拐犯」というレッテルを貼られた。

――15年後、更紗と文は偶然にも再会する。

貼られ続けたレッテルを気にしながらも、二人が築いていく関係とは。

優しさとは何かを考えさせられる物語。

 

読んだ動機

かなり話題になっていたためさすがに気になりました。笑

映画も気になります。

ほとんど悲しいお話になっているので、メンタルが弱くなってない時に観るのが良さそうですね。

 

感想

優しさって何なんだろうなと思わせられる物語でした。

過去誘拐されたと周りから思われている更紗。

本当は更紗が文について行ったのに、文は優しかったと何度訴えても可哀想という目を向けられてしまう。

多分更紗の周りの人も優しさで声をかけていると思うけど、更紗からするともどかしいし余計なお世話。

そんな更紗の状況を見ると、良かれと思っていても優しさを押し付けてしまっていることあるなと思いました。

本人の声を聞いてあげること、信じてあげることが本当の優しさなんだろうな。

文と更紗がずっと二人で穏やかに幸せに暮らしていけますように。

 

ちなみに私は勉強不足で知らなかったのですが、文が秘密にしていた病気って本編では明らかにされていませんが、似たような病気が現実にあるんですね。

かなりデリケートな問題ですし、文のようになかなか相談できないと思うんですが、そういった人に言えない症状や悩みを相談しやすいような環境がどこかにあればいいなと思いました。

少しでも思い悩む人が少ない世界であればいいのに。

 

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