古内一絵著の『マカン・マラン』を読みました。
読書メーター OF THE YEAR 2019にてシリーズランキング1位をとっている作品です。
ちなみに読書メーター OF THE YEARというのは、読書メーターという本の口コミサイトにて年間おすすめランキングをあらわしたものになります。
温かい料理と優しい言葉でたくさんの人の背中を押してくれたこの作品を、ぜひ楽しんでください。
作品情報
書名: マカン・マラン
著者: 古内一絵
出版社: 中央公論新社
ページ数: 265ページ
単行本
Kindle版有 (2024年8月現在)
この本をおすすめする人
- 自分には何も無いと思ってしまう人
- 自分の好きなものを好きと言えない人
- 美味しそうな料理がでてくる物語が好きな人
あらすじ
ドラァグクイーンのシャールは、夜だけ開店するカフェ「マカン・マラン」を営んでいる。
そのお店にやってきたのは早期退職者の候補になってしまった女性、とある思いから母親の手料理を食べなくなってしまった女性、クライアントの言いなりの自分に夢を見られなくなったライター──温かくて優しい料理が提供され、それぞれの心もじんわり満たされる。
読んだ動機
夜だけ営むカフェって昼間と違ってどこかひっそりとした雰囲気があっていいですよね。
そういうカフェに行きたいなーなんて思い購入してみました。
こういった物語に出てくる料理って実際に作りたくなりますけど、できないんですよね。笑
感想
一番好きなのはライター・さくらの話です。
クライアントの言いなりになって、どんなに頑張っても自分の実績になるわけではなくて、さくらは自分のことを「空っぽ」だと思ってます。
そんなさくらにシャールが言った言葉が温かい。
「足りなければ、満たせばいい。空っぽならば、埋めればいいのよ」
『マカン・マラン』古内一絵
「苦しかったり、つらかったりするのは、あなたがちゃんと自分の心と頭で考えて、前へ進もうとしている証拠よ」
『マカン・マラン』古内一絵
「悩むことが大切な時期だってあるのよ」
『マカン・マラン』古内一絵
今はなにもなくても、少しずつ、ひとつずつ、足りないものを埋めていけばいいというシャールの言葉。
そんな言葉に心動かされたさくらの少しずつ変わっていく日常に、笑顔と頑張れの気持ちがうまれました。
そしてやっぱり美味しそうな描写が多くてお腹が空きます。笑
まるで自分の目の前に料理が出てきてるようで、心があったかくてじんわりしました。
こんなあったかくて優しい料理が作れるようになりたいなぁ。
続編について
ちなみに続編も出ています。
読む順番は
-
マカン・マラン 二十三時の食カフェ
-
女王さまの夜食カフェ マカン・マラン ふたたび
-
きまぐれな夜食カフェ マカン・マラン みたび
-
さよならの夜食カフェ マカン・マラン おしまい
となっています。
また、「マカン・マラン」の原点でもあり、シャールさんが登場する「銀色のマーメイド」という作品もありますので、あわせてぜひ楽しんでください。
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