原田マハ著の『常設展示室』を読みました。
実在する絵画が出てくるため、美術に詳しい方は「お!」と思うかもしれません。
もちろん知らない方でも楽しめます。
読み終わるころには美術館に行きたくなってしまう本です。
作品情報
書名: 常設展示室―Permanent Collection―
著者: 原田マハ
出版社: 新潮社
ページ数: 192ページ
単行本・文庫本
Kindle版有(2024年4月現在)
この本をおすすめする人
- 絵画がすきなひと
- 美術館が好き・気になっている人
あらすじ
目の病気になってしまった美青、父が亡くなった七月生、年老いた母との時間がうまくとれていないあおい、心惹かれる男性と突如出会ってしまった多恵子、不倫相手になってしまった紗季、兄と離れ離れだった翠――実在する6枚の絵画がそれぞれの人生を切り開いていく。
読んだ動機
原田マハさんの本をあまり読んだことがないなと思い、おすすめに出てきたので読んでみました。
表紙では絵画が飾られており、雰囲気もあって素敵です。
感想
恥ずかしながら美術はまったく分からないのですが、この本は絵の良し悪しは関係なく、自分の思うまま感じれば良いとなんだか思わせてくれます。
また、最後の『道』では、幼い頃に兄と離れ離れになってしまった翠が、絵を通じて兄と再会を果たす物語となっており、思わず涙が出てしまいました。
翠は兄の顔も声もぼんやりとしか思い出せなくても、幼い頃に兄と見た景色は忘れていませんでした。
作中に出てくるその景色を描いた絵を、ぜひとも一度見てみたいものです。
誰かにとってはきっとなんてことはない絵なんでしょうけど、別の誰かにとっては人生において大切なものだったり、人によって感じ方がまったく違うのは面白いですよね。
普段美術館に行くことはありませんでしたが、これを機に行ってみたいと思います。
もしかすると、人生を変えてしまうような絵に出会うかもしれませんね。
コメント