青山美智子著の『ただいま神様当番』を読みました。
ちょっとクスッとできて、ちょっとジーンとするほんわかした物語です。
これを読めば、あなたも「神様当番」をしたくなるかも……?
作品情報
書名: ただいま神様当番
著者: 青山美智子
出版社: 宝島社
ページ数: 304ページ
単行本・文庫本
Kindle版有 (2024年3月現在)
この本をおすすめする人
- 何か良いことが起こらないかと待っている人
- 自分をよく見せようとしてしまう人
- コミュニケーションがうまくいかず悩んでいる人
- 初心にかえりたいと思っている人
あらすじ
朝、目が覚めると腕に大きく「神様当番」と書かれていた。
突如現れた神様のお願いを叶える「神様当番」をしないと腕の文字は消えないようで――。
幸せを待っているOL、弟にうんざりしている女の子、リア充のふりをしてしまった男子高校生、日本語に悩む外国人教師、部下たちが急に退職してしまったワンマン社長――自由な神様に振り回されていたのに、五人の当番たちの悩みは気付くと解決していて……。
読んだ動機
本屋でたまにビビッとくることってあるじゃないですか。
私はこの本がまさにそれでした。
表紙もなんかかわいいし。
それまで青山美智子先生の作品は読んだことがなく、どんな作品を書くか全く存じ上げなかったわけですが、この本に出会ってから青山美智子先生の作品は必ず買うようになりました。
(それまで出ていた作品も一気に購入)
感想
この本で個人的におすすめなのは、特に第一番目と第五番目です。
第一番目の水原咲良のお話は、もうすごく私。笑
自分から何か動くことはないのに、ドラマみたいに奇跡が起こらないか期待して、簡単に幸せにならないかなって思ったりして……。
現実世界では待っているだけで奇跡が起こることなんて、すごく少ないんですよね。
やっぱり行動しないと、前を向いていけないし、幸せな人生はこないし、楽しくもない。
でも行動するのは勇気がいるし、なかなかできることではありません。
第一番目のお話では、そんな行動できない自分の背中を押してもらうことができます。
咲良が出会った喜多川葵は他人にどう思われるかも気にせずやりたいことをやっています。
まさにこれぞ、憧れる姿。
そして考え方も、素晴らしい。
「大げさかもしれないけど、人生って、単に楽しいからやるって、それが一番の決め手だよ。意味があるとか、お金になるとかはその次でさ。自分自身に何かの取り柄や才能があるかどうかもあんまり関係なくて、この世をおもしろがれる力のほうがうんと大事だと思う。そんなふうに過ごしてるうち、本当にやりたいことがわかってくるんじゃないかな」
『ただいま神様当番』青山美智子
葵が言った、この一言。
すごく勇気をもらえませんか?
行動した先に幸せはないかもしれないけど、行動しないより全然いい。
行動した自分を、ほんの少しだけ、好きになれる気がします。
実はこのブログを始めたのは、この本がきっかけだったりします。
ずっとやってみたかった読書ブログ。
言い訳ばっかりして、手を付けませんでしたが、この第一番目のお話が、私の背中を押してくれました。
また、第五番目のお話では、従業員が八人の小さな会社のワンマン社長が初心を思い出す物語となっています。
一気に従業員が五人も辞めてしまい、途方にくれる社長。
神様の当番をするうちに、社会人になって、起業した、自分が辿ってきた人生を思い出します。
スーツを着て仕事をしていたのに、そうなるように苦労や努力をしてきたのに、もう一度、作業服を自ら着て作業するようになります。
そうして、支えてくれた人たちが沢山いたことに気付きます。
仕事だって、普段の生活だって、今は関わってなくてもそれまで支えてくれた人って沢山いるんですよね。
時間が立ったり、偉くなってしまうと、すっかり忘れてしまうけど。
第五番目のお話では、そんな周りへの感謝を思い出させてくれました。
私も神様当番やってみたいな。
自由奔放にされるのは困るけど。笑
この最後には表紙の装画を担当している田中達也さん(ミニチュア写真家)と著者の青山美智子先生の特別対談もはいっているのでぜひ読んでみてください!
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