南綾子著の『死にたいって誰かに話したかった』を読みました。
生きづらさを感じる方は意外と多いのではないでしょうか。
でも周りの人に「生きづらいんだよね」と相談するのもなかなか難しいですよね。
この本を読むと、生きづらさが少しだけ解消されるかもしれません。
作品情報
書名: 死にたいって誰かに話したかった
著者: 南綾子
出版社: 双葉社
ページ数: 280ページ
文庫本
Kindle版有・Audible版有(2024年5月現在)
この本をおすすめする人
- 生きづらさを感じている人
- いつも空回ってしまう人
- 恋愛がうまくいかないままの人生を送ってきた人
- マウントばかりとってしまう人
あらすじ
結婚したいと思っているが、恋人も友人さえもいない空回ってばかりの奈月、ずっと非モテの人生を送ってきた雄太、マウントばかりとってきた茜、不倫をしてしまった薫──生きづらさを抱えた4人は、悩みを共有できる人が欲しいと思った奈月が発足した「生きづらさを克服しようの会」で、少しずつそれぞれの生きづらさを語っていく。
読んだ動機
タイトルに惹かれました。
なかなか強めのタイトルなので、一体どんな本なんだろうと思って。笑
感想
読んでいると、登場人物達の話で自分の過去の言動を思い出して「うわ! 自分もこんなところあったな」なんて恥ずかしくなることも…。
空回ったり、マウントとったり、ほとんどの人がやってしまったことあるとは思うんですけど、自分の過去やってしまった嫌な言動ってはっきり覚えているもので、「なんで自分はこうなんだ…」って落ち込んでしまいますよね。
4人それぞれの生きづらさに、自分も重ねてしまって共感できる部分がたくさんありました。
「生きづらい」「自分のここがダメだ」、それが分かっているからこそ苦しい。
性格も言動も、そう簡単には変わりません。
それを治すことができたら、少しは生きやすくなるかもしれないのにね。
けどこの物語の中で、4人は少しずつその生きづらさと向き合っていきます。
「生きづらさを克服しようの会」があったからこそ、一歩ずつ――本当に小さい一歩かもしれませんが、前を向いて歩き出します。
最後に茜が言った「死にたい」。
これこそ、生きづらさを抱えている人たちが言いたくても言えない言葉じゃないでしょうか。
友達にも家族にもなかなか言えない言葉だけど、それを誰かに言えると少しは心が晴れるんだろうな。
生きづらさがなくなるわけではないけど、「誰かに話す」ってことがすごく大事だと思わせてくれた本でした。
この本を読むことで、誰かの生きづらさも少しはなくなりますように。
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