マット・ヘイグ著の『ミッドナイト・ライブラリー』を読みました。
過去選ばなかった人生を過ごすことができるという物語です。
あなたは「あの時こうしておけばよかった」と思う時はありますか?
きっと皆さんあるのではないでしょうか。
ぜひ主人公ノーラと一緒に人生をやり直してみましょう。
作品情報
書名: ミッドナイト・ライブラリー
著者: マット・ヘイグ
訳者: 浅倉卓弥
出版社: ハーパーコリンズ・ジャパン
ページ数: 440ページ
単行本
Kindle版有 (2024年6月現在)
この本をおすすめする人
- 人生後悔ばかりの人
- やり直したいことがたくさんある人
- 人生の再出発を考えている人
- 悲しいことばかり起こると考えてしまう人
あらすじ
ノーラは飼い猫を亡くし、仕事もクビになってしまった。
家族も恋人も友人ももう傍にはおらず、今までの人生は後悔していることばかり。
もう命を絶ってしまおうと薬を大量摂取したノーラだったが、目が覚めると目の前にはなぜか図書館が佇んでいた。
その図書館は、過去自分が選ばなかった人生をやり直させてくれるという。
読んだ動機
本屋さんをぶらぶらしている時にたまたま見つけました。
あらすじを見たら「きっと前向きになれるような本なのでは?」と思って購入してみました。
前向きになれるような本が大好きなので。笑
感想
ノーラみたいに頼れる家族も恋人も友人もいなくて、飼い猫も亡くなって、仕事もクビになったらそりゃあ絶望もしますよね。
死ぬことを決意していたノーラですが、何度も何度も人生をやり直します。
その度にそれぞれの人生での悲しさがあって、これって私含めみんなの人生もそうなんだろうなと思いました。
いくらでも見つかる後悔を全部やり直しても、ずっと幸せなことって絶対ないですよね。
そう考えると人生まだマシに思えてきます。
ノーラも最初は何回人生をやり直しても悲しいことだらけで、やっぱり死にたいと思い続けます。
昔別れた恋人と結婚した人生、水泳を続けてオリンピックに出場する人生、バンド辞めずに音楽を続けた人生などなど――ノーラはきっとどの人生も幸せなはずだと思いますが、いざやり直してみると夫になって愛が冷めていたり、父が浮気して母が亡くなっていたり、兄が亡くなっていたりと散々な人生ばかりでした。
それでも図書館司書のエルム夫人に宥められ、さらに自分がやってみたかった人生をやり直します。
そしてノーラはついにこれだと思う人生を見つけるんですね。
しかしノーラは結局、自分のもとの人生に戻ってしまいます。
確かに幸せではあったけど、そこは「自分」の人生ではなかったから。
それに、今の人生だって色々な可能性があることが分かったから。
ただ一人の人間であればいい。今存在している自分を感じていればそれでいいの。
すべてになろうとしてすべてをやってみる必要はない。だって私たちはすでに無限だから。生きているかぎり私たちは、いつどんな場面でも、驚くほど様々な“未来の可能性”を秘めているものだから。
だから、縁あってこの世界で知り合えた人々に、いつも優しくありましょう。そして時々、今いる場所からちょっとだけ上を見上げてみましょう。どこにいても頭上の空は、きっとどこまでも続いているから。
『ミッドナイト・ライブラリー』マット・ヘイグ
ノーラも、私たちも同じです。
いつだって、何をはじめてもいい。
それを改めて考えさせられましたね。
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